2007年4月19日木曜日

食べ物の巻1 イギリス料理はまずい?

英国内で外国人が集まれば、まず食べ物の話題になる。見知らぬ者同士でも、イギリスの食文化がいかに貧しいかという話をすれば1時間は盛り上る。 食にこだわる国は滅びる運命にあると誰かが言ったが、大英帝国の発展は食を犠牲にして成り立ったのだろう、とわたしも確信している。

とってつけたように聞こえるかもしれないが、料理のうまいイギリス人に招かれて食べる伝統的なイギリス家庭料理はなかなかのものだ。残念ながら、そんな料理上手はもはやナショナルトラストにでも登録されているのではないかと思うほどで、めったにお目にかかれないが。近年グルメブームで外食産業もだいぶレベルアップしたと言われているが、それとて眉唾もの。ふらりと入ったレストランやパブの料理に期待は禁物だ。冷凍食品をレンジでチンしただけの料理か、さもなくば恐ろしく高い料金に失望する危険性が高い。

もっとも、この国では乏しいイギリス料理のレパートリーを補うように、世界の各国料理が堪能できるという特別な楽しみがある。インド料理、中国料理のテイクアウト(味の保証はないが)はどんな田舎の小さな町にも必ずあるし、ロンドンのような都会だったらヨーロッパ各国はもちろん、トルコ、レバノン、メキシコ、タイ、ベトナム、インドネシア、韓国そして日本とまさに世界中のしかも現地人のつくる本格的なものが手に入る。

日本食はヘルシーでファッショナブルだともっぱらの人気だ。もっともきちんとした和食を食べさせる店はどこも法外に値段が高いので、そういう店に集うのはヤッピーと呼ばれるリッチでグルメなイギリス人か接待の日本人ビジネスマンと相場は決まっているが。このところポンド高で、外食は基本的にどこで何を食べても高いのだが、一切れ250円の海苔巻き(それも中味はツナかキュウリときている)を見たときはさすがに驚いた。海苔巻き屋台でも始めようかとひそかに考えている。
(写真:アボガドの巻き寿司、その名も青虫ロール
 

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